ブログ - 新しい避妊具・黄体ホルモンIUD
未成年者や未婚女性の、望まない妊娠と中絶が何かと話題になりますが、既婚女性にとっても望まない妊娠と中絶は大きな問題です。厚生労働省が2005年に発表した統計によると、40歳以上の女性の出産件数20,348件に対して、人工妊娠中絶は21,010件と、中絶が出産を上回っています。このことから、避妊に失敗して中絶しているのが、若い女性だけでは無いということがわかります。
最も一般的な避妊方法としては、コンドームが挙げられますが、男性がコンドームの装着を嫌がったり、付け方が悪いと破れてしまう場合もあり、コンドームの避妊効果が十分に発揮されない場合が多いようです。コンドームよりも確実な避妊方法としては、ピル(経口避妊薬)や銅付加IUD(子宮内避妊用具)が知られています。一般的に、ピルは高い避妊効果が期待できるが飲み忘れに注意する必要があり、銅付加IUDは装着後2~5年と長期の避妊効果が望めるがピルよりも避妊効果が低い、と言われています。
そのピルと銅付加IUD、両者の長所を併せ持った新しいIUDが、2007年4月に厚生労働省から承認されました。新しいIUDは黄体ホルモンIUD(商品名:ミレーナ)と呼ばれるもので、形状は銅付加IUDと同じT字形で、大きさは縦横32mmほどです。銅付加IUDではT字型の「柄」の部分に銅線が巻き付けられていましたが、ミレーナでは、黄体ホルモンを子宮内に徐々に放出する仕組みが組み込まれています。
この黄体ホルモンが子宮内膜を薄くして着床しにくくするとともに、子宮頸管粘液の粘性を高めて子宮内へ精子が入るのを防ぐことで、妊娠を予防します。避妊効果を示すパール指数は0.14(ピルは0.1)と高く、1回装着すれば5年間持続します。装着や除去は産婦人科医が行います。従来のIUDは過多月経の女性には使用できませんでしたが、この黄体ホルモンIUDは子宮内膜に作用して子宮内膜を薄くするため、月経量が減少します。ですから、過多月経の女性でも使用することが出来ます。
また、このホルモン付加IUDは、経口ピルよりも優れた部分があります。それは、薬を飲むのと違って、ホルモン付加IUDは子宮にだけにホルモンが作用し、血液中のホルモンの濃度はほとんど上がらないことです。ですから、ピルで体重が増えた女性も、ホルモン付加IUDなら体重に変化は見られないそうです。
一般的にIUDは出産経験のある女性に勧められる避妊方法ですので、もう子供は必要無いと考えている夫婦が、豊かなセックスライフを楽しむために、ホルモン付加IUDはピッタリの避妊方法だと思います。また、ホルモン付加IUDは、既に世界111カ国で承認されていますので、安全性も心配はありません。

